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巖浄閣

CPD

巖浄閣の見学に行ってきました。
福野高校内にある重要文化財です。
目をひくのが、外壁のさくら色。
資料によれば、大正2年にさくら色に塗替えた
のを近年の復興改修の際、当時のさくら色を再現。
実際の建物を見ると、やっぱり「さくらいろ」してました。
パンフレットの資料の写真は「ピンク」にしか見えない・・・

吉田鉄郎設計 
「福野農学校農業博物館。報徳会館」
の設計図や、仕様書、等の展示もしっかりみてきました。
ガラスケースに大事に収納されていたので、
他の図面もみてみたかったです。

おだけみほこ



CPD 2  (カワ)
地元の建築家「吉田鉄郎」企画展で福野高校・巖浄閣へ行ってきました。
巖浄閣は保存修理完了時の企画展(平成17年11月)以来です。外壁の
桜色は少しあせたようにも感じ、落着きを醸しています。115年前の
明治36年 に竣工していますが、簡素ながらバランスがよく、好きな建物
の一つです。

吉田鉄郎(明治27年~昭和31年)は東京中央郵便局の設計者として有名
ですが、 旧福野町の出身でいくつかの建物を地元に残しています。
西方寺の授眼図書館 (旧福野町立図書館)もその一つです。
現存していますが今は開放していません。
旧農学校・報徳会館の設計図書(青図)が公開されていましたが、しっかり
とした線 で描かれています。ガラスケースの鍵を持つ係員が不在の為、
他の図面を見れな かったのは残念です。
(事前に連絡すれば閲覧出来るとのこと)
7月25日までの第二、第四土曜日に公開していますから機会があれば覗い
てみようと思います。

巖浄閣の窓枠(繰型)は旧中越銀行本店(現 砺波郷土資料館)と同じです。
どちらも実施設計と工事監督は砺波市太田の藤井助之丞です。
(旧中越銀行本店の概括設計は長岡平三) 旧中越銀行本店は明治42年に
竣工し昭和54年に チューリップ公園に移築しています。ちょうど
「旧中越銀行本店の百年展」が開かれて いましたので、その足で覗いてき
ました。

30年前に移築に係った者として懐かしい気分です。巖浄閣は洋風建築
ですが こちらは銀行であり、外観は土蔵造り、内部は洋風をふんだんに取
り 入れた 擬洋風建築です。当時としては最高の建築物です。藤井助之丞
の 設計図 (ケント紙 A1)が百枚以上残されていますが、図面表示と烏口、
筆の線 は絶品です。 (普段は非公開) 見どころの多い建物です。
機会がありましたら覗いてみて下さい。 

 

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