CPD:4
久しぶりに東京に行く機会があり、僅かながら自由時間も取れましたのでいくつかの建物を見てきました。
おのぼりさんよろしく見上げる建築の多いこと。スケールの違いを実感します。
2、3雑感を。
●21-21デザインサイト
東京ミッドタウンの一角にかがまっている感じの平屋建て。高さ250mのミッドタウンタワーと比べるとその高さ僅か5m。日本一長いの複層ガラス(L=11.4m)や折り曲げられた巨大な一枚鉄板の屋根(約54m/約450㎡)の施工苦労話を聞いていたので是非見てみたかったもの。背面がどうなっているかと考えていたが、なんのことはない唯の壁。垂直壁の頂点から片流れ三角の大屋根が掛かる。地下階が延べ面積の8割を占め、地上で見ただけでは想像出来ないボリュームがある。実際、長い通路と階段や展示空間は窮屈な感じはしなかった。コンセプトが、三宅一生が取り組んできたテーマ「一枚の布」から生まれたものであるという安藤氏の主張にはこじつけも感じるが、謙虚でありいくぶん知的であり、業界内では主役の街より有名。
●表参道ヒルズ
とにかく長い(全長250m)。商業部は地下3階から地上3階までの内部吹抜けを持つ。表参道の傾斜にあわせ床をスロープ状に傾斜させているのが特徴であり、そのまわりでは「スパイラルスロープ」と呼ばれる通路がらせん状につながっている。(内部の印象はチト暗い)。有名な同潤会青山アパートを取り壊した跡に青山アパート一棟を新たに再現し、同潤館と名づけていた。
●国立新美術館
日本一の面積(延べ14,000m2の展示スペース)を持ちカフェ、レストラン等もある。
エントランスロビーは4層吹き抜けのアトリウムなので来館者がスムーズに展示室へ移動でき、シンプルな平面と相まって自分のポジションが掴み易い。当初うねるガラスカーテンウォールに違和感があったが、とにかく大きいから内部から見ると気にならない。基本構想から10年の時間と400億近い工費を掛けている。うねる外部のガラスクリーニングってどうするのか心配にもなる。写真は2階部のカフェとその前の外部。
●東京大学 情報学環・福武ホール
安藤氏の信奉者ではないし、打ち放しコンクリートが一番ってこともないが見てみたい建物に安藤氏のものが多い。平面95m×16m、地上2階、地下2階。最近、氏の設計は地下に潜るものが多いと感じる。地下2階はそれほどの暗さは感じず落ち着く。壁もスリットの効果で威圧感は感じはない。ベネッセから大勢の中学生が大学見学に来ていた。でも赤門はそう簡単にはくぐれない。 (カワ)