CPD2 冨田家の見学
報告が遅くなりましたが先週、冨田家を見学して来ました。地元に居ながらなかなか機会に恵まれなかったのですが、カイニョ倶楽部の文化財見学で実現しました。
冨田家は大正13年に着工し昭和初期まで工事が続いたのですが、当主が施工途中で亡くなられたこともあり二階は未完成とのことです。建物は南東を正面とし、桁行十一間半、梁間は九間の入母屋造りの木造二階建ての大型住宅です。
砺波地方に多い「枠の内」はありませんが、中央の式台玄関の奥には24畳の大広間、そして南へ中座敷、奥座敷と続きます。
施工精度ががすばらしく、80年近く経過した現在でも寸分の狂いもありません。岩盤まで掘りこんでの基礎だそうです。
木部化粧材は透き漆塗り(天井は17回も塗ってあるそうです)で、現在も光沢があります。ガラスを多用した建具を含め質の高い、品のある住宅です。庭も大変すばらしく、平成16年8月に国登録文化財に登録されています。
近代の和風建築として次代に伝えたい貴重な建物だと感じました。
勉強会ではその後、福野園芸植物園で「木と生垣」の話を石崎園長より伺いました。趣のある話でしたが、紹介は後日に。(かわ)