先月ですが横浜の大成建設技術センター「ZEB 実証棟(ZEB:ゼロ・エネルギー・ビル)」を見学してきました。日本ではエネルギーの約40%がオフィスビルなどの建物で消費されています。
オフィスビルのエネルギー収支をゼロにすることは、国内全体のエネルギー消費量を削減し、CO2の排出量を大幅に削減することになります。
代表的な導入技術では
①新開発の「有機薄膜太陽電池外壁ユニット」は軽量で施工性が高く、形や寸法が自由で色の選択も可能です。 「都市型ZEB」を実現するためには、太陽光でより多くの発電量を確保する必要があります。
②低照度タスク&アンビエント照明システムでは人のいる部分を中心に照度を確保しています。
机の上には10㎝×40㎝ほどで厚さが5㎜の面発光有機ELタスクライトがありました。(未発売)
③ライトキューブの採用 自然光を天井へ照射することで、眩しさを抑制しつつ部屋奥まで届かせています。そのため天井は逆スラブの直打ちで塗装仕上げです。
④躯体輻射等を組み合わせた空調では人感知センサーで床下から人のいる部分を中心に温熱環境を制御しています。
⑤排熱利用タスク&アンビエント空調システム 燃料電池の排熱を吸収式冷凍機で冷水を製造しています。
⑥エネルギーの見える化/管理/分析/制御をオールインワンで提供しています。
建物のエネルギー消費量75%を削減する「超省エネ技術」と、残りのエネルギー消費量25%を賄う太陽光発電による「創エネ技術」で収支0を実証しています。 その結果、エネルギー消費量が463MJ/m2/年、太陽光による発電量が493MJ/m2/年となり、「都市型ZEB」を目指した建物として国内で初めて「年間エネルギー収支ゼロ」を達成しています。
屋外や広い屋上などに置くような大型設備は不要で、中小型のビルでも実用化できます。
ただ、建設費は通常の1・5~2倍です。電気代などは減らせるため、大成建設では通常の1・2倍ぐらいまで建設費を抑えられれば普及するとみています。
CPD2.0 KAWA