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「東京での施設見学」

●先日、東京の省エネ改修された事務所建築を見学して
きました。新菱冷熱工業の自社ビルです。
築40年は(東京では)普通解体新築されますが、高効率
ヒートポンプチラー、太陽光発電、壁面緑化などを取り入れ
CASBEE-Sクラスを習得しています。(全国2例目の事)
猛暑に近い四ツ谷のビル街から内部に入ると空気にサラ
サラ感を感じます。氷蓄熱の冷気をデシカントで除湿し、
床吹き出し空調システムで空調しています。(デシカントは
室内用空調機で除湿する必要がない為通常より高めの
温度で冷房ができ、省エネ運転に貢献)
外皮断熱、内部断熱、二重サッシ、日射フィルム、グラデーションブラインド、ガスコージェ
ネレーション、ソーラージェネリンク、高効率照明システム等省エネ技術のてんこ盛りです。
エネルギー削減率32%(目標40%) CO2削減率28%(目標37%)はすばらしいものです。
●中央区の中央小学校・中央幼稚園を見学してきました
 。(他の小学校・幼稚園が改築中のため、2校同居の状
況です)
教室部のほか幼稚園と地域開放の温水プール(可床式)
が1階に、体育館が3階にそして屋上(5階)に校庭を持つ
学校です。
屋上校庭は50mの直線走路が確保され、屋根はテント
構造で開閉式です。壁がないので風が気持ちよく通り抜
けます。(屋外階段で直接登れます)
南面は教室群で所どころに自然観察テラスを設けていま
す。中央にオープンの階段と廊下・便所、北側に体育館
等を配しています。
ほとんど境界内一杯の建物で建ぺい率は80%近いと思わ
れます。こんなレイアウト、地方ではありません。
いたる所に植栽があり、動線の明快で「木」もふんだんに
使用されてとても素敵な学校です。
坪100万の建築ですが、納得出来ます。


●おまけの見学で新装なった歌舞伎座で観劇してきまし
た。3年の工期を経て完成した第5期の歌舞伎座はオフィス
タワーを併設する複合施設です。
第4期(吉田五十八設計)の時間を受け継ぐべきその外観
、内観を踏襲しています。1階ロビー(大間)の絨毯図柄は
咋鳥と呼ばれる花枝を咥えた四羽の対になる鳥を組み合
わせたデザインで平安時代から洗練された図案の頂点と
して讃えられていたそうです。
(ロビーは思ったより狭い感じです)
3階B席で観劇しました。舞台から一番遠い(天井に一番

近い?)ところです。以前報道で「席間が広くなった」と聞い
ていたのですが、1階だけのようで3階は膝が前席に接し
ます。急勾配です。その分廻り舞台の状況がよく見え、
「そっと動いてそっと止まる」高い技術もよく見えます。
何枚かの緞帳もとっても綺麗です。
今回はわずかな時間しかありませんでしたが、日を改め
ゆっくり観劇したいものです。

CPD6.0        KAWA


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