建築家 伊丹 潤氏の講演会に参加してきました。73歳ながら、最近の「注目の建築家10人」に選出されています。21世紀に入ってから、伊丹氏の大規模なプロジェクトが韓国で続々と竣工していますが、それに対し今年の村野藤吾賞を受賞されました。不覚ながらそのどちらもを知りませんでした。創造の情念が、デザインを超えて建築の内外に美しくにじみ出ているのが高く評価されたとのことです。
話をきいていると飾るところが無い、本当にものづくりがお好きなのだと感じさせる若々しさで、気難しさとは無縁でした。
最近のコンペに対し、「何日も徹夜し、文脈を取り込んで案を作っても地味になる。サーカスまがいの提案をしないと絶対に獲れない。ペラペラなものが40年、50年ともつか」「コンピュータから新しいデザインは生まれない。機能と向き合うと漠然と容が出てくる」「思想を出さないとリアリティがない」「芸術性に迫ると”無”に近づく。安藤忠雄の打放しコンクリートが評価されるのはそこ」 氏の考えには共感します。 写真は済州島の水の美術館です。cpd2 (kawa)